これは何?
一言でいうと:自己進化するAIスタッフ
Hermes AgentはNous Researchが公開したオープンソースのAI Agentフレームワークです。他のAgentとの最大の違いは、あなたの利用経験から自動で学習すること。一度実行したタスクは、次回から自動で「スキル」を作成して処理します。手動で教え込まなくても、自分で賢くなっていきます。
🔄 自己進化ループ
実行 → 記憶 → スキル作成 → スキル改善 → より良く実行
従来のAI Agent:Aを教えると、Aだけを実行します。
Hermes Agent:Aを教えるとAを学び、その後Bにも似た方法を使えると自分で気づき、B用のスキルを自動で作成します。
6つの主要機能
単なるツールではなく、成長するシステム
自己学習
経験から自動でSkillを作成し、一度行ったタスクを次回はより速く、より良く処理します。会話をまたいであなたの好みや作業モードも記憶します。
5プラットフォーム連携
Telegram、Discord、Slack、WhatsApp、Signal + ターミナル。1つのAgentをすべてのプラットフォームに同時に出せます。
200以上のモデル対応
OpenRouter経由で200以上のモデルに接続。OpenAI、Anthropic、セルフホストモデルにも対応し、1行コマンドで切り替えできます。
柔軟なデプロイ
ローカル、Docker、SSH、Serverless(Daytona / Modal)のいずれでも動作します。Serverlessモードはアイドル時に課金されません。
スケジュール自動化
Cronスケジューラーを内蔵。レポート、バックアップ、巡回チェックを自然言語で設定でき、時間になると自動実行します。
40以上のツール + MCP
40以上のツールを内蔵し、MCPプロトコルで拡張可能。MIT Licenseのオープンソースで、コミュニティが自由に貢献できます。
⚡ 他のツールとの比較
Hermes Agent vs OpenClaw vs Claude Code + Telegram
| 🧠 Hermes Agent | 🦞 OpenClaw | ⌨️ Claude Code + Telegram | |
|---|---|---|---|
| 自己学習 | ✓ Skillを自動作成 | △ 手動設定が必要 | △ MEMORY.md + brainシステム |
| モデル対応 | 200+(OpenRouter) | 複数社 | Anthropic only |
| メッセージング基盤 | 5つ(WhatsApp含む) | 4つ(LINE含む) | ✓ Telegram channel(いつでもリモート指示) |
| デプロイ方式 | ローカル/Docker/Serverless | ローカル | ローカルCLI + Telegram relay |
| スケジュール | ✓ Cron内蔵 | ✓ Cron + Heartbeat | ✓ Remote Trigger / launchd |
| マルチAgent | 単一Agent(強化型) | ✓ マルチAgentオーケストレーション | ✓ Subagents / Skills |
| ライセンス | MIT(完全オープンソース) | 商用ライセンス | 商用ライセンス |
| 学習曲線 | 中程度 | やや急 | 中程度(CLI + Telegram設定が使える) |
| エコシステム成熟度 | 新しい(2026年初) | 成熟済み | 成熟済み(公式が継続更新) |
より詳しい比較を見る?→ 3者比較ページ
- インストール前の準備(システム要件 / OpenRouter / Telegram bot)
- 1行コマンドでインストール
- hermes setup wizard 初回設定
- LLM provider設定
- Telegram gateway接続
- 3つの起動モード
- Claude Code / OpenClawと並行利用
- FAQ / トラブルシュート
- Tony実測メモ(2026/05/09)
- v0.13.0 — 2026/05 新機能
1. インストール前の準備
3つのものを5分で準備
OSとハードウェア
- macOS(Intel / Apple Siliconどちらも可)またはLinux(Ubuntu / Debianなど主要ディストリビューション)
- メモリは8GB以上。音声モードやローカルモデルを使うなら16GB以上推奨
- ストレージは約2〜3GB(91個のbundled skillsとキャッシュディレクトリを含む)
- ネットワーク:GitHub、OpenRouter / OpenAI、Telegram APIに接続できること
インストールスクリプトがuv、Python 3.11、Node.js、ripgrep、ffmpegなどの依存関係を自動処理します。事前インストールは不要です。
LLM provider key(いずれか1つ)
- OpenRouter(おすすめ):openrouter.ai 登録 → API keyを1つ作成 → 1つのkeyで200以上のモデルに接続(Claude / GPT / Gemini / Llama / DeepSeekなど)
- OpenAI:platform.openai.com API keyを申請
- Anthropic:console.anthropic.com API keyを申請
- 併用も可能です(Hermesは複数providerの共存に対応し、タスクごとに切り替えられます)
初回インストールはOpenRouterから始めるのがおすすめです。特定ベンダーに縛られず、無料モデル(Llama 3.3、Gemini Flashなど)で動作確認できます。長期運用が決まってからAnthropic / OpenAIへの直接接続を検討すれば十分です。
Telegram bot token(任意だが強く推奨)
- Telegramで
@BotFatherを検索し、Startをタップ /newbotを送信し、案内に従ってbot名とusernameを入力(usernameはbotで終わる必要があります。例:my_hermes_bot)- BotFatherが
1234567890:ABCdefGHIjklMNO...のようなtokenを返します。コピーして保存してください /setprivacyを送信 → 自分のbotを選択 →Disableを選択(必要時にbotがグループメッセージを読めるようにします)
Telegramなしでも使えますが、接続するとスマホからどこでもコマンドを送れます。ここがHermesとChatGPT Appの大きな違いです。
2. 1行コマンドでインストール
公式install.sh — 約5分で自動完了
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/NousResearch/hermes-agent/main/scripts/install.sh | bash
このコマンドが行うこと:
uv(Pythonパッケージマネージャー)を確認してインストール- Hermes Agentのソースコードを
~/.hermes/hermes-agent/へダウンロード - Python 3.11仮想環境を作成し、約80個のPython依存関係をインストール
- システムツール(Node.js、ripgrep、ffmpeg)をインストール(未導入の場合)
- 91個のbundled skills(humanizer、p5js、architecture-diagram、sketch、highlighterなど)をダウンロードしてマウント
- 空の
config.yaml、cronディレクトリ、logsディレクトリを作成 hermesコマンドを~/.local/bin/に追加($PATHに含まれているか確認)
📍 インストール後のディレクトリ構成
すべては~/.hermes/内に置かれ、既存のClaude Code(~/.claude/)やOpenClaw(~/.openclaw/)とは完全に分離されています。安心して並行インストールできます。
~/.hermes/
├── hermes-agent/ # ソースコード
├── config.yaml # 設定ファイル(key、model、gatewayはすべてここ)
├── audio_cache/ # 音声モードキャッシュ
├── image_cache/ # 画像キャッシュ
├── cron/ # スケジュールjob設定
├── hooks/ # イベントトリガースクリプト
└── logs/ # 実行ログ
Pythonバージョン:macOSのシステムPythonが3.11でなくても、uvが自動でダウンロードします。手動切り替えは不要です。
ネットワーク:GitHub rawの内容がブロックされる場合(ごく一部の企業ネットワーク)、VPNを使うか、release ZIPをダウンロードして展開してからinstall.shを実行してください。
権限:スクリプトはホームディレクトリにしか書き込みません。sudoは不要です。sudoを求められたらすぐキャンセルし、スクリプトの入手元を確認してください。
3. hermes setup wizard 初回設定
対話式ウィザード、3つの質問で完了
hermes setup
Wizardは3つの質問をします:
LLM providerを選択
検出済みのprovider(OpenRouter / OpenAI / Anthropic / ローカルOllama)が一覧表示されます。keyを準備したものを選びます。808AIの第一候補はOpenRouterです。
API keyを貼り付け
前の手順で準備したkeyを貼り付けます。wizardが~/.hermes/config.yamlへ直接書き込み、暗号化して保存します(OS keychain連携)。configファイルを手動編集する必要はありません。
デフォルトモデルを選択
providerのmodel listからデフォルトにするモデルを1つ選びます。迷ったら一覧の先頭を選べばOKです。後からhermes modelでいつでも切り替えられます。
完了後、wizardがセルフテストを1回実行します(modelを一度呼び出してkeyが有効か検証)。✓ Setup completeが表示されればOKです。
4. LLM provider設定の詳細
モデル変更、provider追加、パラメータ調整をいつでも実行
よく使うmodelコマンド
hermes model利用可能な全モデルを表示し、現在のデフォルトをマーク
hermes model use <name>デフォルトモデルを切り替え。例:hermes model use anthropic/claude-3.5-sonnet
hermes model add <provider>providerを追加(setup wizardのmodel部分を再実行)
hermes model test現在のmodelを1回呼び出し、keyと課金経路をテスト
モデル選びの3原則
- 日常 chat / brainstorm:安くて速いモデルを使う(GPT-4o-mini、Claude Haiku、Gemini Flash)
- 重要な意思決定 / 長文執筆:最上位モデルを使う(Claude Opus 4.7、GPT-5、Gemini 2.5 Pro)
- 大量データ / 長いcontext:1M context対応を選ぶ(Gemini 2.5 Pro、Claude 1M context)
/think と /fast の動的切り替え
v0.13.0で追加された機能:チャット内で直接/think defaultと入力して「深く考える」モードに切り替え、/fast defaultで「高速応答」に戻せます。sessionを離れてモデルを再設定する必要はありません。
5. Telegram gateway接続
どこからでもスマホでHermesと会話
hermes gateway add telegram
2つの質問が表示されます:
- Bot token:
@BotFatherから取得したtokenを貼り付け - 許可するchat_id:自分のTelegram user ID(
/startを自分のbotへ送ると、Hermesが検出して「このchatを信頼するか」を確認します)。ホワイトリストは自分だけに限定することを強く推奨します。第三者からの迷惑利用を避けるためです。
設定後に実行:
hermes gateway
Listening for messages...が表示されれば成功です。Telegram botのチャット画面を開き、「Hi」と送ると、Hermesが数秒以内に返信するはずです。
🌐 17のMessaging Gateway一覧
Hermes v0.13.0対応プラットフォーム(telegramを置き換えるだけ):
Telegram · Discord · Slack · WhatsApp · Signal · Email · SMS · iMessage · Feishu Lark · DingTalk · WeCom · WeChat · Microsoft Teams · Matrix · Mattermost · Twilio Voice · Google Meet(Twilioブリッジ)
6. 3つの起動モード
1つ選ぶか、複数同時に実行
| モード | コマンド | 用途 |
|---|---|---|
| 対話TUI | hermes | ターミナルで直接会話。debug / 新しいskillの試用 / 長文作成に向いています |
| Gateway daemon | hermes gateway | バックグラウンドで実行し、Telegram / Discord / Slackメッセージを受信。スマホから指示する主力です |
| Cron スケジュール | hermes cron list | 定期タスク(日次ブリーフ、週報、巡回チェック)をトリガー。対話は不要です |
バックグラウンド常駐:launchd(macOS) / systemd(Linux)
HermesをMac miniで24/7稼働させるなら、gatewayをlaunchd / systemd serviceとして包むのがおすすめです。
hermes service install --launchd
実行後、~/Library/LaunchAgents/にcom.nous.hermes.gateway.plistが生成され、自動でloadされます。停止するにはhermes service uninstallを使います。
7. Claude Code / OpenClawと並行利用
3つは完全に共存可能。botとprocessは独立
Hermesは~/.hermes/にインストールされ、以下の2つとは完全に分離されています:
- Claude Code →
~/.claude/ - OpenClaw →
~/.openclaw/
共有するのは以下だけ:
- システムバイナリ:uv / Python / Node.js / ffmpeg / ripgrep(1セットで十分)
- API keys(任意):OpenRouter / OpenAI keyは3環境で共有でき、管理コストを抑えられます
戦略 + コードを書く → Claude Code(最も安定。Subagentsでタスクを分割しやすい)
自動化daemon / cron → OpenClaw(マルチagentオーケストレーションが強み)
音声 / Honchoユーザーモデリング / Skillの自動作成を試したい → Hermes
3つの独立したTelegram botを用意すれば、スマホに届くメッセージごとに対応するagentが分かれ、役割分担が明確になります。
同じTelegram bot tokenを2つのprocessで同時にpollingすることはできません。互いに競合します。各環境(Claude Code / OpenClaw / Hermes)では必ず異なるbot tokenを使ってください。BotFatherで新しいbotを作るのは完全に無料です。
8. FAQ / トラブルシュート
インストール後にhermesコマンドが見つからない
~/.local/binを$PATHに追加します:
# Bash
echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc && source ~/.bashrc
# Zsh(macOSデフォルト)
echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc && source ~/.zshrc
API keyが拒否され続ける
- keyの先頭に余分な空白がないか確認:
hermes model testを実行してerrorを確認 - OpenRouter keyは
sk-or-、OpenAIはsk-、Anthropicはsk-ant-で始まる必要があります - OpenRouterアカウントは、有料モデルを使う前に5米ドル以上のチャージが必要です。無料モデルはそのまま利用できます
Telegram botが反応しない
hermes gatewayがまだ動いているか確認(ターミナルにListening for messages...があるか)- このbot tokenを他人や別processに同時に渡していないか確認
- 自分のchat_idがホワイトリストに追加済みか確認(
hermes gateway allowlist)
完全に削除したい
hermes service uninstalltrash ~/.hermesrm -rfではなくtrashを使うことをおすすめします。誤削除してもmacOS Trashから復元できるためです。
9. Tony実測メモ
2026/05/09 Mac mini M4 32GBで動作確認した記録
🧪 0から最初のメッセージまで5分
インストール:curlコマンド1本で完了。約5分でインストールでき、uv / Python 3.11 / Node.js / ripgrep / ffmpeg / 91個のbundled skillsを自動処理します。
場所:すべては~/.hermes/にあり、既存のClaude CodeやOpenClawには影響しないよう完全に分離されています。
開始コスト:必要なのはLLM provider key 1つ(OpenRouterなら1つのkeyで200以上のmodelsに接続できて便利)+ 独立したTelegram bot token(BotFatherで新規bot作成)だけです。
起動:hermes(対話TUI)/ hermes setup(初回設定wizard)/ hermes gateway(messaging gatewayを起動)。
実戦での位置づけ
- Claude Code、OpenClawと合わせて3環境を完全に並行運用可能です。各自が独立したbot・独立したprocessを持ち、OpenAI / OpenRouter keyを共有できます
- HermesのActive Memory + Skill自動作成は本当の見どころで、メインagentを補完します(置き換えではありません)
- 「セカンドオピニオン」reviewerとして向いています。メインagentが書いたものをHermesにreviewさせると、別視点の指摘を拾えます
- 「Claude以外のモデルを試したい」人にも向いています。OpenRouterなら1つのkeyで200以上に接続でき、モデル選択肢が一気に広がります
あなたに合う?
| 向いている | まだ早い | |
|---|---|---|
| 初心者 | CLIの基礎があり、自分でdebugする意欲がある人 | ターミナル未経験の人。まずClaude Code + Telegramから始めるのがおすすめ |
| AIツール利用者 | 「セカンドオピニオン」reviewerを追加したい / 新しいモデルを試したい | メインagentをまだ使いこなせていない。まず1つを深掘りしましょう |
| ユースケース | 単一強化agent / 音声 / 複数messagingプラットフォーム | マルチagentオーケストレーションが必要(OpenClawのほうが直接的) |
10. v0.13.0 — 2026/05 新機能まとめ
この1か月、Hermesは「音声 + realtime + マルチプラットフォーム」方面に重点を置いています(2026/05/10時点)
Discord音声 STT/TTS
Discord voice channelsがrealtime音声文字起こし + テキスト読み上げ + agent-proxyモードに対応。文字入力なしで、音声でHermesと直接会話できます。
Google Meet音声ブリッジ
Google Meet + Twilio dial-inがGemini realtime音声bridgeと統合。会議中にHermesへリアルタイムでメモ作成や質問応答を任せられます。
Active Memoryのカスタムツール名
Active Memory pluginがconcrete tool namesに対応。自動トリガーがより正確になり、無関係な記憶を誤って拾いにくくなります。
Chat overrides
新たに/think default + /fast defaultでチャット中に思考深度を即時切り替え可能。sessionの再起動は不要です。
iOSペアリングsetup codes
iOS appがsetup codesに対応し、プライベートLAN gatewayへ接続できます。自宅のMac miniでHermesを動かし、スマホを直接ペアリングできます。
17のMessaging Gateway
Telegram / Discord / Slack / WhatsApp / Signal / Email / SMS / Feishu / DingTalk / WeCom / WeChat / iMessageなど主要プラットフォームを網羅。